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館長雇止め・バックラッシュ裁判の情報をお伝えします


by fightback2008
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男性自殺3万人という死をもっての叫びを受け止めよ!

勝又です。9月27日の原告側「準備書面」の感想です。今回は主張を3つに整理し、①ジエンダ-について、②バックラッシュの狙いなど、 少々理解に苦しみがちな概念をみごとに解説・解明した準備書面となっています。まるで行政向け参考本のよう。

①ジェンダーについて
ジェンダーとは例えば「男らしさ」「女らしさ」に代表される文化的・社会的につ くられる性であるわけだが、この「男は、女はこうあるべき」というお互いにしみ ついた、根深い意識が、女性はもとより男性にとっても非常に生き難い社会にしてい ることを指摘している。特に日本では年間3万人以上という男性の自殺。死をもってのこの叫びを私たちは厳しく受け止めなくてはならない。そのために世界的にも性による差別を撤廃し、男女が豊かな関係を育み、共生していける社会の必要性を痛感、めざすようになった。1979年国連総会で女子差別撤廃条約採択。1985年、日本は条約批准。そして1999年、男女共同参画社会基本法成立。このように地球的平和・平等へむけて、国内外での法整備が整えられた。

②バックラッシュの狙い
ところが満場一致での男女共同参画社会基本法成立にもかかわらず、制定後まもなくから、基本法そのものにまっこうから敵対するかにみえる、バックラッシュの動きが顕著になってきた。彼等は基本法制定前の社会、男尊女卑の、一部のものには居心地の良かった時代にもどりたい。その一心でなりふりかまわず巧妙・悪質な攻撃を展開している。女子差別撤廃条約を批准し、国として基本法を制定し、それにともない地方自治体で条例が整備されつつある現在、総論賛成のたてまえに対し、実施絶対反対の本音が爆発したと言える。

③豊中市におけるバックラッシュの内容と狙い
●原告に攻撃をかけたバックラッシュ
被告豊中市は、原告がバックラッシュ側から受けたいろんな攻撃、嫌がらせ、妨害などを、「市民のさまざまな意見や考え方の表明である」と主張。しかし、それは特別な議員と、彼に深く関係する特別な3人の市民に代表されるある団体のようであり、とても一般市民とは言い難い。彼等が一体となったのがまさにバックラッシュ勢力であり、それに屈して、 被告豊中市は館長を雇い止めにしたというのが、誰もが理解できる本件の真相である。

●バックラッシュは女性の地位向上・男女平等を阻害する
バックラッシュ勢力の組織のひとつである日本会議大阪のホームページには、女子差別撤廃条約、あるいは男女共同参画社会基本法にあきらかに違反している目標が、堂々と掲げられている。このような事態は世界人類の流れに逆行するものであり、男女平等を阻害する悪質な行為と思わざるを得ない。2003年7月国連の女子差別撤廃委員会から日本政府に、男女共同参画社会の実現へむけて、さらに努力するよう勧告がなされているが、世界の勧告さえ無視しようとする、バックラッシュ勢力の動きを、私たち市民はむろん、行政、議員の方こそ監視し、無法を許してはいけないと思う。

●被告らのバックラッシュへの屈服
被告豊中市は男女参画条例の可決を最優先したが、その過程において市議会一部与党から激しいバックラッシュ攻撃を受けた。議会の副議長までが三井館長誹謗中傷の先頭にたった。原告はそれが悪質なデマであることを会って質問しようとしたが、被告豊中市はあくまで阻止。男女共同参画推進条例審議に影響が出ないかとの懸念があったため、議会に市の抗議ととられては、困るから会わせないようにあの手この手で圧力をかけたらしい。デマを飛ばす副議長に会わせない、反論させない。被告豊中市の理不尽 きわまりないこの行為こそ、バックラッシュに屈服した証拠といえよう。

それにしても、行政や議員は、国際的な条約、国の基本法にここがこのように違反していますよと、市民の側から厳しく指摘されなければわからないらしい。彼らは、行政・議員というその役どころに全く不適切だといいたくなる。ひるがえって見れば、彼ら議員を選んだのはほかでもない私たち一般市民。軌道修正のため市民の頑張り時がきた。男女平等へ向けての世界的な流れにさからう、強烈なバックラッシュ勢力の一連の行動。彼らにとっても命がけの言動ならば、こちらもそれ以上の気概をもって対応するしかない。この裁判をとおして私たちも本当の力をつけ、お互いを認め合い、 平等・平和を分かち合う日をめざして頑張りたいものです。

勝又みずえ(山口県本郷川を守る会副会長)
by fightback2008 | 2005-10-11 10:12 | 裁判情報