不当判決!
2007年 09月 13日
2003年11月8日、豊中市の人権文化部(ⅱ)長 は、「すてっぷ館長を非常勤から常勤にする。これは組織強化のためである。正式には理事会で決定される」と私に言いました。市派遣のすてっぷ事務局長は、「万が一常勤になったら、第一義的には三井さんです」と私に明言しました。
それから1カ月後の12月のある日、まったくの偶然から、私の後任の館長の人選が隠密裏に進められていることを知りました。しかも、市は、「三井は辞めることを承諾している」との嘘を振りまきながら次期館長候補をくどいていることもわかりました。非常勤館長ポストをなくすことで私をすてっぷから排除する(雇止めする)ことが画策されているのではないか、と、私は不安に思うようになりました。
さらに2004年1月ごろ、次期館長(常勤)は、すでに寝屋川市の外郭団体非常勤職員桂容子さんに決定しているというネット情報が流れてきました。私がこの一連の豊中市の動きに疑義を抱いたことが原因だと思いますが、市と財団は、常勤館長採用のための選考委員会を立ち上げ、面接試験をすると言い出しました。私は受験を申し入れました。しかし、私は不合格で、桂さんが合格でした。こうして豊中市の嘘と徹底した情報隠しの下で進められた館長排除工作によって、私は職場から追われました。
全国公募で館長に就任以来、私は誠実に仕事をし続け、豊中市や財団からその貢献を評価されこそすれ批判されたことは一度もありませんでした。にもかかわらず極めて陰湿な方法で、雇用継続を拒否され、労働権をはく奪されたのです。私は、この不当性を訴えるために提訴しました。
今日の判決は、2000万人ともいわれる非常勤で働く多くの人たちの権利擁護にとっても大きなマイナスです。さらに館長排除工作の背景にバックラッシュ勢力(国や自治体の男女平等政策を踏みつぶしては快哉を叫ぶ勢力)の圧力があった点に裁判長がまったく理解を示さなかったことは、彼/彼女らに痛めつけられている多くの人たちのことを考えると胸が痛みます。バックラッシュの勢いはひどくなる一方ですが、この判決がそれを加速させるのではないかという強い危機感を持ちます。
2007年9月12日
三井マリ子(原告)
--------------脚注---------------------------------------
ⅰ英語Backlash(反動、逆流)のカタカナ表記。アメリカの女性解放運動への組織的攻撃について著した『バックラッシュ』(スーザン・ファルーディ、1991)が世界的ベストセラーとなったことから、男女平等推進の流れを阻もうとする反動現象をこう呼ぶようになった。日本では、男女共同参画社会基本法成立前後から、地方議会を中心に議員の質問という形をとって、男女平等推進行政の動きに待ったをかける動きが全国にまきおこっている
ⅱ豊中市の男女共同参画行政の責任部局。すてっぷは公設民営の民間法人であるが、実質的にその傘下に置かれている