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館長雇止め・バックラッシュ裁判の情報をお伝えします


by fightback2008
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被告の主張は砂上の楼閣

 昨日、久しぶりにホームページを開いたところ、7月4日に開かれた口頭弁論での原告側陳述書面が掲載されていました。昨日と今日、2度それを読み、感じた印象をご報告します。

  弁護士さんの解説によると、被告側(豊中市ら)は、次のような2段構成の主張をしていたように記憶します。①本件雇止めには、「解雇の法理」が類推適用されず、正当な理由を必要としない。②仮に、解雇の法理を類推適用すべきであるとしても、本件雇止めには正当な理由がある。  
 
   今回、原告側(三井さん側)が陳述した書面では、第一部で、被告側の①の主張への反論が、判例を援用しながら丁寧に述べられていました。また、「館長は開館当初に必要な広告塔として雇用したものだ」とする形(なり)振(ふ)りかまわぬ被告の失礼な主張にも、事実に即した反論がなされていて、思わずウン、ウンと読みながら頷(うなず)きました。

  第二部では、被告側が②の「正当な理由」として縷々述べている主張が、現実と一致しない点や、論理としても辻褄(つじつま)の合わない点を多く含むことを厳しく指摘し、その釈明を求める内容でした。

  これにより被告の主張が、急ごしらえの「砂上の楼閣」に過ぎず、到る所に綻(ほころ)びを残したものであることが、証明されたのではないでしょうか。被告らからどんな釈明がなされるか分かりませんが、いずれにせよ、楼閣の砂が崩れ始めるのも、そう遠くはないと思わせる内容です。

(註) 解雇の法理…「解雇は、客観的に合理性を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と、労働基準法第18条の2に定められている法理念。

一田 教子(研究者)
by fightback2008 | 2005-07-22 17:40 | 裁判情報